高性能誤り訂正機能搭載 映像IPゲートウェイ「NA8000」がIABM Design & Innovation Awardsを受賞
2014年10月15日

IABM Design & Innovation Awards Winner横浜市 — 2014年10月15日 — NTTエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:萩本 和男、本社:神奈川県横浜市、以下 NTTエレクトロニクス)の映像IPゲートウェイ「NA8000」がIABM Design & Innovation Awardsの、Content & Communication Infrastructure部門最優秀賞を受賞しました。IABM(国際放送機器製造者協会)が主催するこの賞は、放送・メディア業界に利益や新しい機会をもたらす新製品・ソリューションにスポットライトを当てるもので、独立した22名のスペシャリストによって九つの部門で受賞者が選出されました。受賞者の発表および授賞式は、欧州最大の放送機器展「IBC2014」の会場(アムステルダム RAI)で2014年9月13日に行われました。

授賞式の様子の写真
授賞式の様子

当社のエントリーした製品「NA8000」は、LDGM FEC(Low Density Generator Matrix Forward Error Correction)という、優れた誤り訂正アルゴリズムを改良したFireFort®-LDGM FECを利用した映像伝送用IPゲートウェイです。FireFort®-LDGM FECは、MPEG-HおよびISO/IEC23008-10の一部として国際標準化される見通しです。この技術開発および標準化には、NTT未来ねっと研究所が関わっています。NA8000の受賞の理由として、審査委員長は授賞式で次のように述べています。「IPネットワークを活用してコスト削減する上で、NA8000の優れた誤り訂正能力は重要です。既存のワークフローに簡単に組み込めるというNA8000の特徴は、より効率的で信頼性の高いコンテンツストリーミングを実現します」

NTTエレクトロニクス デジタル映像・システム事業本部 本部長の笠原久嗣は次のように述べています。「このたびの受賞は、NTT未来ねっと研究所が開発し国際標準に提案されている先進のLDGM FEC技術と、NTTエレクトロニクスの優れた装置化技術が相まっての最優秀賞受賞です。世界的に著名な22名の専門審査委員から高く評価いただいたことを、大変喜んでおります。IPネットワークの広がりと高品質映像伝送サービスの融合は、今年のIBCのメインテーマの一つでもありました。NTTグループとしてもこの分野を牽引する技術開発と商品化に今後も全力で取り組んでいきます」

受賞製品、映像IPゲートウェイ「NA8000」について

NA8000は、IPネットワークを活用して映像伝送の費用を低減したいという要望の高まりに応える映像IPゲートウェイです。効率的で信頼性の高いFEC(前方誤り訂正)アルゴリズムを用いたFireFort®-LDGM FECを搭載するNA8000は、Pro-MPEG 2Dのような既存のFECを搭載する製品よりもパケットロス訂正能力で大きく優れています。これにより、比較的安価な反面、ベストエフォート型で帯域保証のされないIPネットワークを映像伝送に使えるようになります。放送事業者および映像サービスプロバイダが近い将来、UHDTV(Ultra High Definition Television)コンテンツを取り扱う機会が増えると予測されますが、特にそのような利用シーンにおいて、NA8000によって運用コストを低減できます。

また、ASIやGigabit Ethernetなど映像業界で幅広く使われているインタフェースをサポートするNA8000は既存のワークフローに組み込むのが容易で、ネットワーク境界の入り口と出口に追加するだけで済みます。NA8000自体の設定も同様に簡単で、送信元と送信先のIPアドレス情報とFECに関する幾つかのパラメータを設定するだけでFECの強度と遅延を両立させられます。

製品写真「NA8000」
映像IPゲートウェイ「NA8000」

FireFort®-LDGM FECについて

NTT未来ねっと研究所が開発したFireFort®-LDGMFECは、IPのようなパケットベースの通信において輻輳(過度なアクセス集中)などによるパケット損失がある場合にも信頼性の高いデータ伝送を可能にします。このFECはLDGM FECを基に改良を加えたもので、強力な誤り訂正能力を持たせるために大きなブロックサイズの処理を行ったとしても低演算負荷なのが特徴で、スマートフォンなど処理能力が限られるモバイル端末でも動作可能な低消費電力化を実現します。

また、低解像度映像から8Kスーパーハイビジョンまでさまざまな伝送レートの映像伝送に対して、従来使われてきたPro-MPEG FECよりも格段に高い誤り訂正能力を発揮し、大容量通信時のバースト的なパケットロスを効率的に訂正することができます。現在、NTTでは次世代メディアトランスポートMMTの誤り訂正符号の一つとして、FireFort®-LDGM FECの国際標準提案を行っています。

本賞の詳細についてはウェブサイトをご参照ください。


IABM について

IABMは、世界中の放送・メディア技術関連のサプライヤーを代表する、権威ある声となる存在です。メンバーへ提供されるサービスは、マーケットリサーチ、情報提供、トレーニング、標準化団体や放送連合への出席、幹部同士のネットワーキングの機会の提供、優先購入など、多岐にわたります。代表的な展示会においては、放送関連の製造業企業、政府、規制機関との貴重なコミュニケーションの場を提供します。そのほか、革新性を評価する賞や奨学のための賞を用意し、放送・デジタルメディア業界を国際的に活性化するための活動も行っています。
詳細はウェブサイトをご参照ください。

<本件に関するお問い合わせ先>

NTTエレクトロニクス株式会社
営業本部 システム営業部

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