NTTエレクトロニクス、4K/60p 4:2:2対応H.265/HEVCエンコーダ「HC11000」を開発
~IBC2015にてデモンストレーションを実施~

NTTエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:萩本 和男、本社:神奈川県横浜市神奈川区、以下NTTエレクトロニクス)は、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した高性能・高圧縮のH.265/HEVC( 注1 )エンコーダ技術( 注2 )をもとに、超高精細4K/60p( 注3 )4:2:2対応H.265/HEVCリアルタイムエンコーダ「HC11000」を開発しました。本製品は2016年3月より国内外で発売開始します。

製品写真「HC11000」
HEVCリアルタイムエンコーダ 「HC11000」

近年、スポーツ中継やライブイベントにおいて、4Kの超高精細映像が使用されており、日本においては2015年から一部の事業者において4K商用放送が開始されています。また海外でも4Kの映像制作、配信への取り組みが活発化し、本格的なビジネス化に向けたシステム構築が始まっています。NTTエレクトロニクスでは、今後更なるニーズの高まりに対応するため、超高精細映像配信のために、エンコーダLSIやコーデック装置の開発を進めており、超高精細4K映像サービスの実現に向け取り組んで参ります。

今回発表する製品は、HEVCにおいてプロ用途向けの高品質映像規定であるMain4:2:2 10プロファイルに対応し、4K超高精細映像を高品質でリアルタイムに配信できます。HEVCの圧縮性能を最大限に引き出すことが可能なHEVC対応高画質1チップLSIを搭載することで、従来高パフォーマンスな汎用プロセッサ等では実現が困難であった装置の小型化、低消費電力化を実現しました。また、現在主流で運用されているHD映像フォーマットにも対応しているため、4K映像だけでなくHD映像の配信にも使用することが可能です。

本製品は来る2015年9月11日から15日までオランダ・アムステルダムで開催される欧州最大の放送機器・放送技術展「IBC2015」に出展し(NTTグループブースの場所はホール2のC58)、NTTメディアインテリジェンス研究所と共同で4K映像配信のデモンストレーションを実施いたします。

注1
H.265/HEVC
国際標準化団体であるITU-TおよびISO/IECによって2014年4月に規格化された、最先端の映像圧縮方式。
注2
NTTメディアインテリジェンス研究所が開発したH.265/HEVCエンコーダ技術。Main 4:2:2 10プロファイルに世界で初めて対応した超高精細4K/60p HEVCリアルタイムエンコーダLSI(開発コード名NARA:Next-generation Encoder Architecture for Real-time HEVC Applicationsの略)を開発。
http://www.ntt.co.jp/news2015/1503/150326a.html
注3
4K/60p
4K映像はHD映像に比べ4倍の解像度(3840×2160画素)超高精細映像。60pは1秒間に順次走査(progressive)で60フレーム/秒の時間方向の周波数を示す。HDTVと比較して、空間方向に4倍、時間方向に2倍、併せて8倍の画素数を持つ高精細映像。

*「HHC11000」の型番は「HC11000」に変更になりました。

HC11000の特徴

  • HEVC対応高画質1チップLSIを搭載
    • HEVCの高画質化ハードウェアアルゴリズムを搭載
    • 4K/HD/SDにおいてHEVC Main/Main10/Main4:2:2 10プロファイルに対応
  • 省スペース1Uラックマウントサイズ
  • 汎用性の高い出力インタフェースに対応
    • DVB-ASI×2系統
    • TS over IP×2系統
  • 電源二重化構成
  • IP拡張機能への対応
    • IPネットワークを活用して映像伝送の費用を低減したいという要望に応えるため、次期バージョンにおいてNTT未来ねっと研究所が開発した高性能なパケット伝送誤り訂正技術であるFireFort®-LDGM FEC( 注4 )への対応を予定
注4
FireFort®-LDGM FEC
NTT未来ねっと研究所が開発したFEC(Forward Error Correction)技術で、LDGM(Low Density Generator Matrix)符号に基づくパケット伝送用誤り訂正符号の一つです。FECは元のデータに冗長データを付与することで、受信側で誤りの検出と訂正することを可能とする技術ですが、FireFort®-LDGM FECは演算負荷が少なく、強力な誤り訂正能力が特長です。従来使われてきたPro-MPEG FECよりも格段に高い誤り訂正能力を発揮し、大容量通信時のバースト的なパケットロスを効率的に訂正することができます。

HC11000の主な仕様

項目 仕様
映像
フォーマット
2160P(4096/3840×2160) @23.98Hz, 24Hz, 29.97Hz, 30Hz, 50Hz, 59.94Hz, 60Hz : SMPTE424M
1080P(2048/1920/1440/1280/960×1080) @23.98Hz, 24Hz, 29.97Hz, 30Hz, 50Hz, 59.94Hz, 60Hz : SMPTE424M
1080I(1920/1440/1280/960×1080) @25Hz, 29.97Hz, 30Hz : SMPTE274M
720P(1280×720) @50Hz, 59.94Hz, 60Hz : SMPTE296M
480I(720/352×480) @29.97Hz : SMPTE125M
576I(720/352×576) @25Hz : ITU-R BT.656-4
プロファイル&
レベル
Profile : Main, Main10, Main 4:2:2 10
Level : 5.1/4.1/4.0/3.1/3.0
消費電力 150W以下
外形寸法(mm) H : 43.6 × W : 432.4 × D : 430 (突起物含まず)
重量 8kg以下
電源 AC100~240V、50Hz / 60Hz

販売価格

オープン価格

発売時期

2016年3月発売開始(予定)

<本件に関するお問い合わせ先>

NTTエレクトロニクス株式会社
営業本部 映像・システム営業ユニット
第一映像営業部

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