NTTエレクトロニクス、AVC/H.264 4:2:2 HDTVデコーダと
DVB-S2デモジュレータを世界で初めて一体化したIRDを発売
2009年3月31日

NTTエレクトロニクス株式会社(社長:吉村 寛、本社:東京都渋谷区 以下、NTTエレクトロニクス)は、放送素材伝送や局間伝送用プロフェッショナル4:2:2 IRD(注1)「HVD6100」を4月1日より国内・海外同時に発売致します。

「HVD6100」は、AVC/H.264 クロマ4:2:2 HDTV対応デコーダ機能とDVB-S2 対応デモジュレータ(注2)機能を一体化した世界初のIRDです。デコーダ機能として、AVC/H.264とMPEG-2、クロマ4:2:2/4:2:0、HDTV/SDTVとマルチフォーマットに対応しており、さらに、高画質なHDTV/SDTV解像度変換など多様な機能を実装しております。また、デモジュレータ機能として、高性能な衛星素材伝送用DVB-S2やDVB-DSNG、DVB-S(注3)に対応しております。復調方式は、QPSK/8PSK(注4)に加え、従来のIRDでは対応していなかったより伝送効率の良い16APSK/32APSK(注5)方式に対応しています。また、一定の伝送方式で伝送するCCMに加え、可変長コーディング・変調であるVCMにも対応、さらに適応型コーディング・変調であるACMへの対応を予定しています。(注6)

さらに、「HVD6100」は、IP入力やASI入力を実装しており、放送素材伝送や局間伝送などの高画質HDTV/SDTV映像・音声伝送用途に加え、放送以外の映像アプリケーションにおいてもご利用いただけます。送信側に当社のクロマ4:2:2対応AVC/H.264 HDTV/SDTVエンコーダ「HVE9100」を用いることで、低遅延かつ高画質な映像伝送が可能となります。

なお、本製品は来る4月20日から23日にかけて米国ラスベガスにて開催される世界最大級の放送業界展示会「NAB2009」(ブースNo. SU11617)に出展致します。

現在、放送素材伝送や局間伝送においては、HDTV/SDTV、AVC/H.264とMPEG-2など異なるフォーマットで映像が伝送されています。このような現行方式から次世代方式が混在する過渡期において、放送用素材伝送IRD市場にはHDTV クロマ4:2:2対応のAVC/H.264デコーダと、高効率衛星伝送を可能にするDVB-S2デモジュレータを一体化した製品が無く、お客様からはAVC/H.264 HDTV/SDTV対応デコーダ「HVD9100」で高い評価を得ている当社に、本格的なIRDの市場投入が求められていました。NTTエレクトロニクスはこれらのニーズにお応えするため、AVC/H.264 クロマ4:2:2 HDTV対応デコーダと、DVB-S2対応デモジュレータを一体化した世界初の放送素材・局間伝送用IRD「HVD6100」を発売致します。本製品の市場投入により、SNG(注7)や放送局間伝送など高画質映像伝送用途において、従来必要とされていた外付けデモジュレータ装置が不要になり、運用面の平易化やコストダウンなどに貢献します。

製品の主な特長

  • AVC/H.264、MPEG-2両対応
  • クロマ4:2:2/4:2:0対応
  • HDTV/SDTV対応
  • DVB-S2/DSNG/Sデモジュレータを搭載
    • QPSK/8PSK、16APSK/32APSK方式に対応
    • CCM、VCMに対応、さらにACMに対応予定
  • 自社開発のAVC/H.264デコーダLSI「SARA DEC」を搭載
  • 高画質の映像フォーマット変換機能を搭載
    • HDTVからSDTVへのダウンコンバート、SDTVからHDTVへのアップコンバートが可能
    • 1080iや720pから576i/480iへの変換が可能
  • 多様な音声フォーマット、音声出力(SDI重畳/AES-3id/アナログ)に対応
  • IP入出力インターフェース、ProMPEG FEC標準装備

製品写真「HVD6100」
プロフェッショナル4:2:2 IRD「HVD6100」

販売価格

オープン価格

発売時期

2009年4月1日発売開始


用語の説明

注1
IRD (本文へ戻る)
Integrated Receiver Decoder デジタル放送受信機
注2
デモジュレータ (本文へ戻る)
復調器
注3
DVB-S2/DSNG/S (本文へ戻る)
DVB-S: Digital Video Broadcasting - Satellite衛星デジタル放送規格(1994年発行)
DVB-DSNG: DVB-Sに8PSKと16QAMが加わった規格(1999年発行)
DVB-S2: DVB-S 及びDVB-DSNGの上位規格(2005年発行)。従来のDVB-Sと比較して伝送容量が約30%向上している
注4
QPSK/8PSK (本文へ戻る)
QPSK: Quaternary Phase Shift Keying 4相位相変調
8PSK: 8-ary Phase Shift Keying 8相位相変調
注5
16APSK/32APSK (本文へ戻る)
16APSK: 16-ary Amplitude and Phase Shift Keying 16値振幅位相変調
32APSK: 32-ary Amplitude and Phase Shift Keying 32値振幅位相変調
注6
CCM/ VCM/ ACM (本文へ戻る)
CCM: Constant Coding and Modulation 固定長コーディング・変調
VCM: Variable Coding and Modulation 可変長コーディング・変調
ACM: Adaptive Coding and Modulation 適応型コーディング・変調
注7
SNG (本文へ戻る)
Satellite News Gathering 衛星を用いた報道素材伝送

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