高画質フルHD H.264エンコーダ/トランスコーダLSIを販売
2009年4月20日

NTTエレクトロニクス株式会社(以下NTTエレクトロニクス)は、H.264/AVC エンコーダ/トランスコーダLSI「Matiz-Advance」を2009年6月1日より国内・海外同時に販売開始します。

「Matiz-Advance」は、シングルチップでフルHD H.264/AVCエンコーダとMPEG-2からH.264/AVCへのトランスコードを実現した、プロフェッショナル向けエンコーダ/トランスコーダLSIです。符号化制御は、CBR(注1およびVBR(注2に対応するほか、オプションでCapped VBR(注3にも対応可能なため、プロフェッショナル向け映像機器に幅広く適用することが可能です。さらに、本製品はHDTVからSDTVへのダウンスケーラを搭載しているほか、オプションでシームレスなビットレート変更に対応可能なため、柔軟な符号化制御を実現できます。

現在、デジタル放送において、高圧縮率と高画質を両立したH.264/AVCを画像圧縮方式として採用するアプリケーションが年々増えてきております。MPEG-2が主流であったプロフェッショナル向け映像機器においても、衛星放送やIPTVなど、帯域制約の多いサービス、および編集、アーカイブなど録画を伴うアプリケーションにおいて、H.264/AVCに対応した機器が市場から求められています。「Matiz-Advance」は、高画質な H.264/AVCエンコーダを搭載しているため、これらの映像機器の実現に最適です。

本製品は、MPEG-2で圧縮された映像をより圧縮率の高いH.264/AVCへ変換することで、高画質を保持しながらデータサイズを半分以下に削減することが可能です。高画質なエンコーダを必要とし、なおかつMPEG-2フォーマットで配信された、または保管されているコンテンツを、より伝送効率や蓄積効率を向上させるH.264/AVCに変換して扱う必要のある、IPTVヘッドエンドやビデオサーバ、ビデオ編集装置などのアプリケーションに最適です。本製品は、シングルチップでありながら高画質性能を実現しているため、小型高性能、高機能な装置の実現が可能です。
今後は地上波やCATV、IPTVなどで必要とされているクローズドキャプション(注4などの機能を、ファームウェアのカスタマイズで順次対応していく予定です。

なお、本製品は来る2009年4月20日から23日にかけて米国ラスベガスにて開催される世界最大級の放送業界展示会「NAB2009」(ブースNo.SU11723)に出展致します。

製品写真「Matiz-Advance」
H.264/AVC エンコーダ/トランスコーダLSI 「Matiz-Advance」

MPEG-2の映像をH.264/AVCへ変換するトランスコード処理の概要を示している「Matiz-Advance」のブロック構成図。
Matiz-Advanceブロック図

製品の主な特長

  • 高画質フルHD H.264/AVCエンコーダに対応
  • MPEG-2 ストリームからH.264/AVCへのトランスコード機能搭載
    • MPEG-2 HDTVからH.264/AVC HDTV/SDTV
    • MPEG-2 SDTVからH.264/AVC SDTV
  • 高画質の映像フォーマット変換機能を搭載
    • HDTVからSDTVへのダウンコンバート
  • 1080i、720p、576i、480iなど多様なビデオフォーマットに対応
  • MPEG-1 Layer2、MPEG-2 AACなど多様な音声フォーマットに対応
  • 低消費電力

販売価格

オープン価格

発売時期

2009年6月1日

用語の説明

注1
CBR(本文へ戻る
Constant Bit Rate
固定(一定)ビットレート。安定した映像伝送を行えるため、主に通信回線などで採用されている。
注2
VBR(本文へ戻る
Variable Bit Rate
可変ビットレート。DVDやBlu-rayディスクなどの蓄積メディアで主に採用されている。
注3
Capped VBR(本文へ戻る
上限ビットレートのしきい値を設けたVBR方式。しきい値を越えたビットレートは生成されないよう制御される。
主に多チャンネル放送のような、限られた帯域の中でビットレートをシェアしあうアプリケーションに採用されている。
注4
クローズドキャプション(本文へ戻る
字幕のひとつで、映像内に使われている音声情報の内容を、聴覚障害者に伝えるために文字情報として表示する技術。

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