第13回世界陸上競技選手権大会の中継にNTTエレクトロニクスの映像コーデック装置が採用されました
2011年10月24日

世界的なスポーツイベントの映像を伝送

第13回世界陸上競技選手権大会のホストブロードキャスターを担当した韓国放送公社(KBS)の映像伝送システム用コーデック装置としてNTTエレクトロニクスのAVC/H.264対応 HDTV/SDTV エンコーダ「HVE9100S」およびデコーダ「HVD9100S」が採用され、高画質で安定した大会の中継をサポートしました。

世界陸上競技選手権大会は、オリンピックやFIFAワールドカップと並ぶ世界的なスポーツイベントです。2011年8月27日から9月4日にかけて韓国・大邱(テグ)で開催された第13回世界陸上競技選手権大会の国際映像(※)は、200を超える国と地域で放送されました。KBSは国際映像の制作のほか、韓国国内での独占中継を実施しました。

※世界的な注目が集まるイベントでは、各国の放送局が撮影や取材を自由に行ってしまうと、何百台ものカメラが1カ所に集中することになり、イベントの運営に支障を来す恐れがあります。そこで、世界各国の放送局が使用する国際映像をホストブロードキャスターが制作します。

第13回世界陸上競技選手権大会の映像伝送の流れを説明した図。まず、大邱スタジアムで行われている競技を撮影した映像がスタジアム付近の中継車に送られます。中継車に搭載された映像エンコーダ「HVE9100S」を使用して、撮影した映像がソウルのKBS放送センターへ伝送され、放送センターに設置された映像デコーダ「HVD9100S」を使用してデコードされます。その後、韓国国内での放送用に使われたり、200を超える国と地域で放送するために、その地域をカバーする放送事業者に送られたりしました。

第13回世界陸上競技選手権大会で、競技映像が中継された流れを示す図です。KBS放送センターから韓国外への中継には、各国の中継を担当する放送事業者の設備が使われています。

今大会の中継用にKBSは、社内外のスタッフ550人以上、カメラ116台、中継車10台を大邱に送り込みました。NTTエレクトロニクスのコーデック装置も合計15台以上が大邱に投入され、中継映像の伝送に使用されました。

大型トレーラーOB Vanの中継制御パネルにHVE9100Sが設置されている様子

大型トレーラーOB Vanの中継制御パネル中央に設置されたHVE9100S(AVC/H.264 エンコーダ装置。写真中央上の3台)とHVD9100S(AVC/H.264 デコーダ装置。写真中央下の2台)

マラソン中継の際に使われたKBSの移動中継車の外観

マラソン中継の際にNTTエレクトロニクスのコーデック装置が搭載された移動中継車

KBS大邱局の制御室で中継映像を確認している様子

KBS大邱局の制御室で、移動中継車とバイクの車載カメラで撮影されて伝送されてきたマラソン中継映像を確認しているところ

KBS大邱局の機材ラックにNTTエレクトロニクスのコーデック装置が設置されている様子

KBS大邱局の機材ラックに搭載されたNTTエレクトロニクスのコーデック装置(右上の4台)

HV9100シリーズ採用のポイント

NTTエレクトロニクスの映像コーデックは、2010 FIFAワールドカップ(リンク先は採用事例)2010 バンクーバー冬季オリンピック(リンク先は採用事例)2008 北京オリンピック(リンク先は採用事例)など、高い性能と信頼性が求められる世界的なスポーツイベント中継で採用されてきた実績があります。

KBS、Outside Broadcast Department、Executive Director
Kim, Jong-Kap様からのコメント

「HV9100シリーズ採用の決め手は、低遅延と高画質を両立させているのに加え、高い安定性を実現している点です。

大会期間中の中継は問題なく高画質伝送が行われ、代理店による手厚い技術サポートを受けることもでき、中継がスムーズに進んだ点も評価しています」

NTTエレクトロニクス株式会社 デジタル映像事業本部 マルチメディア事業部 事業部長
有川知彦からのコメント

「今回の第13回世界陸上競技選手権大会では、昨年の2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会に引き続き、NTTエレクトロニクスの映像コーデックは200を超える国と地域の皆様に感動を伝えることができました。

KBS様では既に全支局にHV9100シリーズを導入済で、日頃から韓国各地のニュース、イベント中継などに活用されて、その運用性の高さ、信頼性の高さを実感して頂いております。

今回、スタジオと競技場間での出演者間のスムーズな掛け合いを可能とした低遅延符号化技術や、マラソン中継などの動きの厳しいスポーツを的確に再現する符号化技術、装置の高い安定性により、非常にリアリティのある映像を提供することができ、世界中の放送局、お客様の皆様双方から非常に高い評価を得ることができました。

NTTエレクトロニクスは今後も映像を通じ、リアルタイムに世界中の皆様にリアリティと感動を伝え続けます」


ロゴ「韓国放送公社(KBS)」

韓国放送公社(KBS)は、1927年に韓国初のラジオ放送を、1961年に韓国初のテレビ放送を開始した公共放送局です。KBSは現在、三つのテレビチャンネル、七つのラジオチャンネル、四つのDMBチャンネル(移動体向けデジタルTV放送)を運営しています。KBSは番組の輸出にも積極的に取り組んでいて、アジアを中心に広い地域で人気を得ています。

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