フレッツ光を用いた4K/60p映像配信の成功について
~2種類のIP方式による複数拠点への同時リアルタイム配信~
2014年11月10日

西日本電信電話株式会社(代表取締役社長:村尾 和俊、本社:大阪市中央区、以下 NTT西日本)、エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社(代表取締役社長:田中 和則、本社:東京都文京区、以下 NTTビズリンク)、NTTエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:萩本 和男、本社:神奈川県横浜市、以下 NTTエレクトロニクス)は、フレッツ光を用いた2種類のIP方式にて4K/60p ※ 1 映像を同時に複数拠点へ配信することに成功いたしました。

これにより、パブリックビューイングをはじめとする4K画質のライブ映像を、利用用途に適した品質で複数拠点へ配信をすることが可能となります。また、800万契約を突破(NTT西日本エリア、2014年6月30日時点)したフレッツ光を用いることで、多くのお客様が低価格でご利用いただけます。

なお、今回実証した配信方式を用いたパブリックビューイングをグランフロント大阪(大阪)、ITプラザ福岡(福岡)、光ライフショールーム(名古屋)等にて開催します。

※1
4K/60pについて
4Kとは、フルハイビジョン(1,920×1,080)の4倍の画素数(3,840×2,160)を持つ画面解像度のことです。60pとは、1秒間に60回画面を書き換えて映像を表示する映像信号の走査方式(プログレッシブ方式)のことで、同一のフレームレートの場合、インターレース方式(1枚の画像を2回に分けて表示させる走査方式)と比べ、より高精細に映像を表示できます。

背景・目的

国内のライブ配信市場は成長を続けており、ODS(Other Digital Stuff ※ 2 として映画館で開催されるパブリックビューイングの公演件数も年々増加しており、広帯域なビジネス用回線(ビジネスイーサ ワイド等)を用いた4K映像によるパブリックビューイングも試行的に行われています。
NTT西日本は、4K映像をより多くのお客様にご利用いただくために、アクセス回線にフレッツ光を用いた配信の技術検討を進めてまいりました。また、映画館等で行われているODSに加え、店舗やご家庭など、さまざまなご利用シーンで高精細な4K映像をご視聴いただくために、それぞれのご利用シーンに最適な配信を実現する複数の方式についても併せて検証を進めてまいりました。

※2
ODSについて
映画以外のコンテンツを映画館で上映することです。

今回実証した内容

4Kカメラで撮影したライブ映像(4K/60p)をH.265/HEVC ※ 3 により圧縮し、『フレッツ光』を使って各システムへ中継・配信する以下2種類のIP方式にて、複数拠点への同時リアルタイム配信を実証しました。

  1. 『帯域確保型配信技術』 ※ 4 を使った高品質映像配信
    NTT西日本の『フレッツ 光ネクスト ビジネスタイプ』とNTTビズリンクの『帯域確保型配信技術』を用いて、パケットロスがほぼ発生しない高品質な25Mbpsの4K映像配信を実証しました。
    本方式による配信は、大型スクリーンで多数の観客が視聴するODS等の用途として映画館や競技場等への配信に適しています。
  2. 『フレッツ・キャスト』を使ったマルチキャスト配信
    NTT西日本の『フレッツ・キャスト』と『フレッツ 光ネクスト ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼』を用いて、ベストエフォート型のIPv6マルチキャスト配信による4K映像配信を実証しました。映像再生には、NTT西日本が試作した4K対応のSTBを利用しました。
    本方式による配信は、家庭向けの光アクセスサービスをそのまま利用できるため、店舗や家庭への配信に適しています。
※3
H.265/HEVCについて
H.265は、H.264/MPEG-4 AVCの後継となる動画圧縮の国際標準規格(ITU-T H.265、ISO/IEC 23008-2)で、HEVC(High Efficiency Video Coding)とも呼ばれています。H.265ではH.264の約2倍程度の圧縮性能がある一方、H.264と比較してより多くの演算量が必要となります。今回の実証においては、日本電信電話株式会社メディアインテリジェンス研究所が研究開発したH.265エンコード技術を利用しました。
※4
『帯域確保型配信技術』について
NTTビズリンクの配信システムにより、映像配信に必要となるNGN上の通信帯域を予め確保したうえで配信を行う技術です。

各社の主な役割

  1. NTT西日本
    • 4K映像伝送のための『フレッツ光』および『フレッツ・キャスト』の提供および配信方式の検討
    • 『フレッツ・キャスト』受信用の4K対応STBの仕様検討および提供
  2. NTTビズリンク
    • 『帯域確保型配信技術』を使った高品質映像配信サーバおよびシステムの提供
  3. NTTエレクトロニクス
    • H.265エンコーダ、デコーダおよびマルチキャスト配信装置の提供

パブリックビューイングの概要及び日時

今回実現した方式によるパブリックビューイング(無料公開)を以下の通り実施いたします。

イベント
「第53回電話応対コンクール全国大会in金沢」
開催日時
2014年11月14日(金)9:30~18:30
パブリック
ビューイング会場
大阪会場 グランフロント大阪北館 ナレッジキャピタルザ・ラボ2F アクティブスタジオ
(住所:大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪)
『帯域確保型配信技術』を使った高品質映像配信を実施いたします。
福岡会場 NTT西日本福岡支店「ITプラザ福岡」
(住所:福岡市博多区博多駅東2-3-1)
『フレッツ・キャスト』を使ったマルチキャスト配信を実施いたします。
名古屋会場 NTT西日本名古屋支店「光ライフショールーム」
(住所:名古屋市中区金山1-11-28)
『フレッツ・キャスト』を使ったマルチキャスト配信を実施いたします。

今後について

今回の成功を踏まえ、4K映像の複数拠点へのリアルタイム配信サービスの本格提供へ向け早期に取り組んでいくとともに、8K ※ 5 映像の複数拠点へのリアルタイム配信サービスにつきましても実現に向け積極的に取り組んでまいります。

※5
8Kについて
フルハイビジョン(1,920×1,080)の16倍の画素数(7,680×4,320)を持つ画面解像度のことです。

今回実証した構成概要及び利用イメージ

フレッツ光を利用した「帯域確保型配信」「マルチキャスト配信」の2種類の配信方法による4k/60p映像の多地点リアルタイム配信を実証

フレッツ光を用いた4K/60p映像配信の構成概要及び利用イメージ。イベント会場からフレッツ光を利用した「帯域確保型配信」と「マルチキャスト配信」の2種類の配信方法の概要図。「帯域確保型配信」は帯域確保型配信技術を用いた配信システムでパブリックビューイング会場などでの利用。「マルチキャスト配信」は店舗・自宅などでの利用。

<本件に関するお問い合わせ先>

NTT西日本
ビジネスデザイン部 ネットワークサービス部門
早川、岡田、濱田

<各社の提供サービスおよび提供技術に関するお問い合わせ>

NTTビズリンク
ヴィジュアル・コミュニケーション事業部 新ビジネス推進担当
渡辺、小池、末安

NTTエレクトロニクス
営業本部 システム営業部
石井、沼部

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