「第104回 全国高等学校野球選手権 長崎大会」のマルチチャンネル映像伝送に協力
2022年9月5日

NTTエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:佐藤 良明、本社:神奈川県 横浜市、以下 NTTエレクトロニクス)は、長崎文化放送株式会社(代表取締役社長:壹岐 正、本社:長崎県長崎市、以下 NCC)が放送する「第104 回全国高等学校野球選手権 長崎大会」におけるライブ中継のマルチチャンネル映像伝送に協力しました。

NTTエレクトロニクスのマルチチャンネルエンコーダ/デコーダ『HC32000E/HC32000D』が、暑い夏を吹き飛ばすくらいに白熱した高校球児達の試合を、臨場感ある映像としてリアルタイムにエンコード・デコードし、その映像がNCCの地上波で放送されました。

今回の映像中継について、NCC技術部様から以下のコメントを頂いております。

今年の高校野球は、<スローリプレイやハイライトを送出するスロー再生システムを運用するためのプレハブ設置がスケジュール的に難しい>、<将来に向けて新たな技術を取り入れてより良いシステム構築を検討したい>という2点が検討課題として挙げられていました。そんな折、NTTエレクトロニクス様の『HC32000E/HC32000D』を使用することで問題点を解決しつつ新たなチャレンジに取り組むことができました。

目指した運用は、現場の中継車ラインと中継カメラの8ch映像ソースを本社へ送り、本社サブのスイッチャーに取り込み、従来現場でスローリプレイを行っていた処理を本社で行う新たな運用スタイルで高校野球中継をオンエアすることです。

準々決勝が開催された諫早球場では、『HC32000E/HC32000D』を利用して、IP回線(NTTフレッツネクストSHS隼 VPN)で①中継車OUT(予備)、②3C(カメラ)、③4C、④5Cの4素材を伝送しました。伝送レートは、①5Mbps、②~④各4Mbps。IP回線がベストエフォート型のため、できるだけ低いレートで運用するという目的で②~④は各4Mbpsを選択し、映像素材として実用レベルの画質を確保し伝送することができました。遅延もTS送りのFPU(現用)と比べても、運用としては差支えない遅延量でした。
4つの映像素材は本社サブのスイッチャーに①中継車OUT(予備)を取り込み、MTXスイッチャーを通してスロー再生システムに②~④3C~5Cを選択し取り込みました。生放送では中継車OUT(予備)、スローリプレイ・ハイライトVTRにて利用しました。また、報道でも②~④を素材収録し、夕方ニュースの素材としても利用しました。

準決勝・決勝は長崎県営野球場で開催され、『HC32000E/HC32000D』を利用して球場から本社サブへIP回線とFPUを使い8素材を伝送しました。IP回線で①中継車OUT(予備2)、②1C、③2C、④3C、TSをFPU回線で⑤中継車OUT(予備1)、⑥1C、⑦2C、⑧3Cの計8素材を、①~④各4Mbps、⑤~⑧各8Mbpsで伝送しました。現場中継車運用と同じように本社サブにおいて映像素材として問題なく伝送ができました。決勝のシステムは、準々決勝と同様に本社サブのスイッチャーに中継車OUT(予備)を取り込み、スローシステムにはMTXスイッチャーを通して1C~6Cの素材を選択して取り込みました。報道でもカメラ素材を収録し夕方ニュースやスポーツ番組で利用しました。

将来に向けた新たな技術システム運用となるリモートプロダクションの足掛かりとして『HC32000E/HC32000D』を使用させていただき、8素材分の映像・音声の伝送として問題なく運用することができました。これまで本社まで届かなかった球場の各カメラ映像を伝送できるというのは、生放送でのメリットだけでなく番組のVTR素材としても効果的な運用ができると実感しました。また、これまでスロー担当者が現場で作業していたプレハブ設置の費用や手間も省くこともできました。現場を離れて本社でスローVTRを出すことでコミュニケーション関係に懸念がありましたが、試合が進むにつれ慣れていき最終的には現場にいるのとあまり変わらずに運用することができました。

次のステップとしてリモートプロダクション本格運用に向けて各カメラを本社サブでスイッチングすることを想定する場合、タリー・インカム・機器emergency時の運用等の新たな検討課題をまとめ、より良いシステム構築づくりが進められたら良いのではないかと感じました。

中継車

写真「中継車の外観」 写真「中継車内の様子」 写真「中継車内にあるHC32000」

本社サブ

写真「本社サブの様子」 写真「本社サブ内にある複数の中継映像画面」 写真「本社サブ内にある機材」

NTTエレクトロニクスでは今後もリモートプロダクションに貢献できるような高画質、低遅延の映像伝送を支える2K、4K、8K対応製品を提供していきます。

HC32000シリーズについて

自社製ワンチップエンコーダ LSIを搭載したH.265/HEVC(2K/4K)対応の高画質マルチチャンネルエンコーダ/デコーダです。最大4K×2ch、HD×8chの同時エンコードが可能になり、スポーツ、イベント、ニュース映像など様々な映像伝送アプリケーションに最適なソリューションを提供します。

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コーポレートコミュニケーション部門 関谷

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